気になるところ
1)1か月位前からの右足底の歩行痛
2)左側、限定されない腰部の痛み
3)腰部痛は椅子など深く座る際に起こる傾向がある、また腰を沢山反らせても同様。
仮説と検証
1)姿勢評価
前額面:
左鎖骨前下方吐出(胸郭右回旋変位)
左肩甲骨内転挙上(左僧帽筋中部 菱形筋)
右肩甲骨外転下制(右前鋸筋 外腹斜筋)
胸郭は右回旋を起こしている、対し上前腕が胸骨に対し直行しているが、目線的には右に振るので前述肩甲骨の位置アライメントを故意的に変位させてる。
矢状面
胸椎亀背(猫背)
上肢を起こしているのを脊柱起立筋が代償していると考える、胸椎部の椎間板の内圧も上昇し疲労しやすいとも考える。
2)可動性評価(+:所見あり)
屈曲:胸椎のみ腰椎の屈曲追従なし(+)
伸展:腰椎のみの伸展で胸椎の伸展追従なし(+)
回旋:左後方回旋制限(+)
3)他評価
左胸郭が大きく張り出し(+:左胸郭:右回旋との関連性)、右胸郭がしぼんでいる※既往にて肺疾患あり胸膜の巻き込みの可能性
肋骨角は左右対称で問題ない(-)
右足底の痛み→足趾(MP関節)の伸展からの痛み→地面を蹴り床反力を健側左より掛けていると考え、テーピングにて伸展動作へ制限を掛けたら歩行痛が消失。
評価結果
体幹右回旋変位から動作時の左回旋が困難で、歩行をはじめ日常生活に於いて代償痛を起こす因子。
胸郭の変位から左肩甲骨後退(僧帽筋中部・菱形筋過作用) 右肩甲骨巻き込み(前鋸筋・外腹斜筋過作用)
胸椎亀背→スウェィバックからの腹横筋ほかコアの低下→抗重力伸展活動を多裂筋+腸腰筋を使わない(コア低下で使えない)事から、脊柱起立筋群か作用で特に左腰腸肋筋過緊張からの痛み。
立位→座位腰痛などの遠心性収縮動作(伸ばされるのを抵抗しながらゆっくり伸びる)は、姿勢を作るために過緊張を起こしている背筋アウターがあり、骨盤後傾を伴う伸張痛と考えた。
右足底の痛みは、前述姿勢変位からの右下肢への過重負荷と考えた
その理由として
左大腿前面の緊張と圧迫痛から、右の代償で地面からの反力(CKCでの大腿四頭筋作用は膝伸展)をここで代償していた可能性がある。
何故ならOKCの場合四頭筋は股関節屈曲作用、その際で仕事上のフロアは平面なので体重などの過負荷はかからないと考えた。
コンディショニング
1)胸郭左回旋の拡充
2)右前鋸筋・外腹斜筋のハンズオン(手技)→肩甲骨を正常アライメントへ誘導
3)胸椎伸展エクササイズ
4)右足底へのテーピング
5)脊柱起立筋群の伸長促通エクササイズ
備考
メールで翌日に右足第4-5趾の背屈痛が消失とのご連絡を頂く
つまり胸郭変化からの荷重コントロールが上手くできるようになり、発痛部位へ負荷を掛けなくなったからだと考えた。