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日頃の疲れにととどめをさしてしまう急な動作からの右膝後面痛

日頃の疲れにととどめをさしてしまう急な動作からの右膝後面痛/50代女性 お花屋さんの蓄積された疲労からの症例

 

 

来院のきっかけ

年末に墓掃除へ行き、帰宅時間を早めたいので下り坂を小走りに降りていたところ、躓き転倒しそうになり右足メインで踏ん張る、それ以降歩行・立ち上がり痛になり10日経過しても好転ない、それどころかまともに歩けないくらい痛みがあるので来院したとの事。

 

施術内容と経過(問題点の特徴を掴み施術を行う)

1)受傷直後に捻挫したと思い医療従事されるご家族に見てもらい赤色も発熱もないと言われたとの事。受傷ありと仮定しても炎症はその時点ではない→来院時も腫れも認めない。

2)立ち上がり痛があり、場所は右膝外側やや下(腓腹筋もしくはひらめ筋の起始=付着部)→どちらが痛いのか?(下図参照)

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ヒラメ筋起始部、腓骨への付着部付近へ痛みを訴える

 

3)歩行時に痛い→負荷痛

4)地面を踏ん張らなくても膝曲げ伸ばしでも痛み→無負荷・動作痛→さらに常時ではないし何処かの向きで発痛と考える。

5)当院では冒頭の立ち上がり痛があるも、偶発性があり決まって「この動作」で痛いと言えない、場所もやや曖昧な所もある→痛みをわざと起こさせる動作を探す。

6)冷えると痛み→お風呂などで暖まると良い気もする→お仕事が花屋さんで配送業務(水が入った桶を持ち下げ移動→痛みあるふくらはぎの観点から踏ん張り(底屈作用)も多いと仮説。

7)術中にうつ伏せから仰向けに体位変換をお願いした際に右膝外側へ発痛、膝を内外捩じり(内外旋)の動作も痛みが出る事が確認される。

上記から腓腹筋もしくはひらめ筋の受傷を疑いその場所を特定する。

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腓腹筋は膝を伸ばした時に、ひらめ筋は膝を曲げた際に作用する

 

確認方法とコンディショニング

1)うつ伏せで膝を伸ばした状態でふくらはぎを持ち内外に捩じり(内外旋)し痛みを起こす→無痛から腓腹筋の可能性は低い。

 

2)うつ伏せで膝を90°曲げて内外に捩じる(内外旋)→痛みが外側へ出る→ひらめ筋が疑わしいと確認し緩めて歩行をして頂く→歩行:NRS(痛みを10段階の数値で表す)10→1 深い屈伸運動はNRS4。

 

追加でキネシオテープを貼り付け皮膚の緊張を取り除く→無負荷で膝曲げるNRS2になる、負荷を掛けると相変わらず4からの軽減は認めないが筋や腱など深部組織の受傷部分として時間経過が必要とみて経過観察とします。