· 

慢性的肩・背部・頸部痛/50代 女性 主婦

 

気になるところ

慢性的な倦怠感。今回は庭木の剪定をしたので上前腕まで凝った感じがする

本来慢性的な肩凝りにて、定期的にメンテナンス来院との事でした。

 

 

 

 

 

仮説と検証

1)起きた際に凝り感を特に感じてしまう、寝ると楽→姿勢痛、抗重力伸展活動が上手く行えない?

2)立位:矢状面(横)からの姿勢確認にて以下の事が考えられる
BOS(重心位置)が前方にある→足底屈作用が常に過作用している

足底ーふくらはぎーハムストリングー殿筋ー背部後面ー頭頚部後面の過作用と緊張

インナーを使わないアウターでの姿勢制御で多裂筋と腸腰筋の同時収縮の崩れ、特に多裂筋が作用していない立位姿勢を作り上げるボディイメージ。

重心が前方のため、足趾MP関節近位に皮膚肥厚を認めた

更に外反母趾の傾向があり本来腰椎前彎過剰気味―骨盤前傾―股関節内旋が本来の理想である、しかしながら拇指の問題からわざと股関節を外旋させ指示基底面を前方に拡げ前傾姿勢の安定化を促している?

今のところそこまでの股関節障害はない、但し右膝は既往にて鵞足炎に似た問題を伺った

但し、腰を前に突き出す「スウェイバック」姿勢、この姿勢だと必ず骨盤後傾になる→右鷲足炎の既往からも言えるのであるが、この辺りが不明瞭で本当に腰椎が過前彎か?

ひとつ考えられるのは、立位の際には過前彎なのに動作時にボディイメージが変化し、骨盤後傾しての動作なのかもしれない

 

3)胸椎の伸展制限がありその土台から頸椎が前方頭位あり、軟部組織も腹臥位にて重力方向を変えても、触診にて過緊張を感じた事からも胸椎アライメントの影響と考える。

 

 

 

 

 

 

コンディショニング

1)今回の頸部過緊張ほか肩背部の問題は、抗重力伸展活動が上手く出来ていない事が、伸展運動の腰椎代償性と立位時に前方頭位姿勢から読み取れる。


先ずはth9辺りを狙い半ポールを入れてスタティックストレッチにて伸展を促す→実はご自宅でもホームエクササイズ指導をしているので、伸展は可能で痛みも無く可能。

なので上部胸椎th2-3辺りに半ポールを止めてボールを入れ、伸展ROMを拡充するためにエクササイズを試みた→痛い気持ち良い感覚でエクササイズ出来た。

 

2)胸椎の随意的伸展が苦手なら、呼吸に於いて吸気も苦手であるはずと考え確認→就寝からの起床時に口渇感(呼吸数が浅く回数が多いのでは?)がある。
実際にもクライアント様に第2肋骨辺りへ手を置いて頂いて大きく吸気、胸郭の拡がりが浅く更に体幹がのけ反り頸部も伸展動作が微量に傾向。

 
クライアント様の後方へ回り、深呼吸と共に横隔膜と下部肋骨に優しく介入し、動作の促通を行い呼吸の改善とバーチカルエクステンションの一助にした。

 

まずは胸郭の影響からの姿勢の変調を前述コンディショニングで修正、その後胸郭からの代償(伸展制限からの腰部の前方突きだし姿勢)を修正すべく、腹橫筋強化し姿勢の安定化を行いたい。