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ヒップアブダクションで右股関節の歩行痛/40代 女性 医療従事者

気になるところ


最近お尻のたむるみが気になり、引き締めるために勤務先のトレーニングルームでヒップアブダクション(中殿筋・小殿筋トレーニング)し鍛えた。

トレーニングは週3回、3セット、15レップ(回)程度でそこまで無理はしない様に、負荷は8割程度との事(実際にはそのトレーニングの負荷設定が正解かどうかは、最大レップ重量(1回で出来る最大重量)を決められていないので、正確な負荷が計算されているかどうかは不明。

1週間経過辺りから股関節の歩行痛、特に体重を掛けた際に痛むとの事でした。

 

 

 

 

 

 

仮説と検証


1)先ず「お尻引き締め」に対し適正なトレーニングかどうか?
機能的に確認を行うと殿筋上部繊維の収縮コントロールが随意的(自分の意志)でコントロールしにくい。

対して殿筋下部繊維はちゃんと収縮可能で、この事からヒップの横の張りが少なく真ん中へ組織があり、見た目が垂れ尻の様に見えてしまう。

かつ歩行時に使う殿筋上部繊維の(股関節外転+伸展)作用が弱く、体幹を大腿四頭筋で持ち上げるような歩行、ここから膝前部痛の懸念もある。

実際に確認したところ、既往に膝前部痛があるとの事でした。

2)中殿筋・小殿筋のトレーニングの必要性?
ちなみに片脚立位姿勢でテストを行うも、トレンデレンブルグやデュシェンヌ兆候などの問題も無い。

3)股関節の安定化機構(内閉鎖筋+腸腰筋の同時収縮作用)がヒップアブダクションからの筋強化で不安定になり、股関節のアライメントが崩れた可能性

確認の為に、内閉鎖筋と腸腰筋の同時収縮を促通した、その際に股関節の痛みが減少したNRS6→3(痛みの10段階評価)

但し、歩行するとまた元へ戻るも安定化機構の促通が必要であることは判明。

 

 

 

 

 

 

コンディショニング


1)内閉鎖筋と腸腰筋の促通

2)ヒップアブダクションを止めて頂く

3)ヒップアップには殿筋上部繊維トレーニングを処方し、自重トレーニングで負荷をかなり低くした。

 

 

 

 

 

備考


約7日経過後に確認をを行い、痛みがNRS1になり全く気にならなくなったとの事でした。

トレーニングも間違えるといt枚に繋がる事もあります、トレーニングされる前にその辺りも加味しながら実施されると良いです。