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右肩の限定のしぐさでの痛み 60代 男性 会社役員

気になるところ


右肩の痛み
既往:左TFCC(三角線維軟骨複合体損傷)
1か月前からの痛み
右肩を外転・肘屈曲すると肩関節に痛みが出る
僧帽筋上部繊維と中部に痛みを感じている
安静痛の有無→無し、特定の姿勢痛
その瞬間の痛みはNRS8程度(痛みの10段階評価)
お仕事は会社役員でほぼ座業、立ち上がり動くことはほぼ無い

 

 

 

 

 

仮説と検証


1)安静痛は無く、特定の動作痛で肘の要素を除くために伸展位・回内・回外を含め動作を行う→回内屈曲位が一番痛みが発現するも、やはり痛みがある。

次に肩の動作痛を確認した、その際に外転に痛みがありほかはそこまでの問題は無い→肩峰とのインピンジメント?の可能性を考えた。

徒手的に肩甲骨の上方回旋を介助し上腕の外転動作を行う→痛み減少した

2)僧帽筋上部・中部繊維の痛み
1の徒手介助の際に僧帽筋の上部繊維の痛みは減少→肩甲骨の挙上で上方回旋の際に過負荷?

僧帽筋中部の痛みを感じるのは実は深部の菱形筋の問題の可能性
姿勢確認(矢状面:横)から確認すると猫背、肩甲骨が外転・下制した結果下方回旋している、つまり上腕外転に際しスタート位置から既に問題を起こしていた。

3)胸椎を座位姿勢にて努力的に伸展、その上で上腕外転しても痛みが軽減することが判明

上記の事から、胸椎の屈曲(猫背)と骨盤後傾の運動連鎖、更に胸郭にある肩甲骨の位置アライメントの異常が今回の痛みに関係しているのでは?と考える。

 

 

 

 

 

 

コンディショニング


1)胸椎伸展エクササイズ

2)肩甲骨の上方回旋介助エクササイズ

3)前鋸筋の緊張緩和ハンズオン(手技)

 

 

 

 

 

 

備考


NRS8→2になる
自宅でも胸椎伸展エクササイズをアドバイスし、次回7日後に経過確認を行いたい。

これは付随であるが、左TFCCの尺屈動作にての疼痛が減少したのは?ですが、関連性がないとは言えその痛みと思い込んでいた節も感じました。

今回はやはり会社役員と言うことで座ることが多く、会社ではほぼ立ち歩かない事が多いそうです。

つまり椅子は座面が5°程度傾斜があり、骨盤後傾を促してしまい結果運動連鎖からの猫背を生みます、なので座業が多いみなさまは時おり姿勢を起こし立ち歩くことをおすすめします。