気になるところ
肩・背部・頭痛
- 頭痛は月1回は必ず来る(月経周期とは同調していない)
- 頭痛は締め付けられる感じがある
- 頭痛と嘔吐などの関連症状は無い(眼底痛ほか側頭動脈系は無い)
- 背中から後頚部‐肩の倦怠感や張り詰めた痛みが有る
- 学生時代から肩こりはある
- 学生時代は陸上短距離(800m)
- 子育て中に付き専業主婦(座位が多くなる可能性→骨盤後傾と猫背)
- 4歳と2歳のお子様がいらっしゃる
- 2歳のお子様は「抱っこ」をせがむのでそれも肩こりの原因?
- 上腕を体幹より誘導すると、自然に肘を屈曲し掌を外旋、つまり子供のお尻を支える格好に仕草する
仮説と検証
ぱっと見から姿勢の異常を感じるので、更に詳細を確認する
2)姿勢評価
前額面
胸郭屈曲→肋骨弓の肋骨下角が鋭角(70°以下に見える)横隔膜の引き込み過緊張→吸気の際に下部肋骨のバケツハンドルモーションが少ない
やや胸郭が左回旋しているように見える(確かに右胸郭下制から吸気時も拡がりが左側比較で少ない)
両側肩甲骨外転下制(巻き込み肩)※どちらかと言えば右上腕骨頭が前方吐出している
股関節は内外旋も無く普通に見えるが、理由は骨盤後傾位の運動連鎖にある、本来は前捻角が強く内旋しているのに現状では外旋へ振り切る、つまりパッと見は股関節の内外旋もないように見える、がこれは異常でやがて股関節が鼠径部より前方へ凸し股関節不安定性を産む。
矢状面
前方頭位
胸椎屈曲
腰椎過伸展
骨盤後傾(腰椎の骨性伸展があるのにスウェイバック姿勢)
股関節・膝関節屈曲
2)動的評価
屈曲:腰椎(+)胸椎の動きに同調しない、屈曲角度も浅い
伸展:屈曲(+)腰椎の伸展に腰椎が追従しない、更にL5(第5腰椎)を起点に伸展動作を起こし可動性亢進→本来の腰痛持ち
回旋:体幹右回旋(+)
問診と上記評価から
- 在宅で座位が多く骨盤後傾からの胸腰椎の屈曲(猫背)と、頸椎中部の急な伸展で前方頭位姿勢が多い
- 前述の姿勢を起こす際に通常のインナーでの抗重力伸展活動が不可能→アウターの脊柱起立筋の過使用
- 起立筋群は後頭隆起から仙椎まで付着、そこを作用させるので立位でも座位でも顎を上に突き出すのは理解
- アウターが過作用すれば、なおさらインナーの低下が起こるの連鎖
- 本来は内股反り腰→既往に腰痛があるのは椎間狭窄性で、痛みの回避行為からの猫背誘発の要因も考えられる(妊娠時に重心が前に移動する)
- お子様を抱く機会も多い事から、巻き込み肩で外腹斜筋や前鋸筋の過作用にて胸椎を余計に猫背化してしまう
- 動的評価からも胸椎の伸展制限と腰椎の屈曲制限があるので、画像評価も踏まえれば検証出来た
- 胸椎の亀背と腰椎の過伸展と固着、このどちらが真の原因か?確認を行う為に一旦反り腰を仰臥位で開放するも、結果亀背が強く残る
この事から、胸椎伸展ROMを拡充し姿勢変化と症状を確認する
コンディショニング
1)胸椎伸展エクササイズ
2)前鋸筋・外腹斜筋リリース
3)胸式呼吸
備考
頭痛は現状確認不可能にて、ご家庭でお願いした。
肩こりはかなり軽減されたようで、姿勢も良くなりヒップとバストラインも持ち上がり突き出した首も真っ直ぐ天井に伸びた。
こうして痛みが減少する事は「美しく」なる事も兼ねます。