気になるところ
背部痛と慢性腰痛
- 昨年年末から背部痛
- 若干寝ていても痛みが有った
- シップを張って凌いだ
- ストレッチも少ししたら何とかなる
- 今現在は我慢できる背部痛になる
- メンテナンス日なので伝えて下さったとの事
- 特に変わった作業はしていない
- 背部痛は定期的に起こる
- 年末に事務仕事が重なった事もなし
- 既往や家族歴に肺心臓系の問題もない
- 1回だけ健康診断で心機能に所見→経過観察が書かれた→今後、症状があればすぐ専門医へ行く事をアドバイス
- 昔に比べて10kg以上太った
- お正月は体重が増えた
今回の問題点として、慢性的な腰痛にどうもカギがある気もする
ほぼ急性痛に近い背部痛は、その慢性的な姿勢他の問題が隠れているように思える。
仮説と検証
1)姿勢評価
前額面
左側背部ー臀部盛り上がり
若干の胸郭左回旋
左肩甲骨胸郭に対しカウンターローテーション無し
矢状面
前方頭位
胸椎屈曲
腰椎伸展あり
骨盤後傾であるがASIS:上前腸骨棘とPSIS:上後腸骨棘の落差が指1横指あるなし
股関節屈曲
膝関節屈曲
足関節底背屈0°
2)動作確認
屈曲:(+)腰椎は平らで胸椎屈曲動作に追従しない、依って屈曲深度もかなり浅く50cmくらい指先と床面の距離がある
伸展:(+)腰椎依存であるが、これも全く出来ない
回旋:(-)
3)他評価
ヒトの基本機能(赤ちゃんから進化する過程)の確認
理由として、何故ここまで屈曲・伸展制限があるのか?良くわからないので別視点でも仮説と検証を行う
寝返り:(-)
あまり上手ではないが、代償で勢いをつけてリーチングを行い、また胸郭の回旋を起こし寝返る
起き上がり(±)
寝返りが可能で、その延長上の動作は少しだけ動作パターンをお伝えしたら出来た
着座(+)
出来ない
対側性運動リズム(胸椎伸展+骨盤前傾)が取れない→いつも着座や低所へのしゃがみ込み運動パターンは同側性運動リズム(胸椎屈曲+骨盤後傾)を使い、骨盤後傾ー胸椎屈曲を行う
通常なら「ドッスン座り」になるが、四頭筋の遠心性収縮を多用し何とか凌がれている。
更に深く座られた時、またヤンキー座りが出来ない→足関節の背屈制限
いつもしゃがみ込みのシーンではつま先立ちの「そんきょ姿勢」との事でした。
つまりいつも同側性運動リズムを使い前述動作で、過使用からの背筋アウター緊張→腰椎の狭窄反り腰を誘発し、その痛み回避姿勢の屈曲が常態化。
重心が後方へ行き過ぎたのを相殺、そのため胸椎は前屈(屈曲)姿勢を作りそのまま長期を経て椎間板の水分を抜き軟骨終盤との栄養の受け渡しも出来ない、そんな状態から今回の背部痛または慢性的な問題に至ると考えました。
一番問題なのは同側性運動リズムを常態化し、脳へ運動パターンとして組み込まれている事です。
その原因は足関節のは屈制限にあり、上行性運動連鎖を起こし全ての運動パターンを産み出だす元凶となる事が分かりました。
その検証として下記テストを行います
着座動作にて対側運動性リズムの誘発
踵へ3cm程度の高さをつけ踏んでもらい着床してもらうと若干胸椎の伸展+骨盤の前傾動作を求めた、なので足関節の背屈制限が問題と確認が取れました。
コンディショニング
1)胸椎伸展エクササイズ
2)足関節の背屈促通(ナーブテンション緩和)
3)着座練習
備考
症状はそこまで変化ないが、足関節に原因がある事をクライアント様に自覚して頂く事へ意義がある。
この症例の場合、長期かつご自身で毎日エクササイズをされる事が必須になる、つまり意識がないと改善に繋がらない。
原因が明確になるとモチベーションもかなりUPする。