気になるところ
背部痛
- 以前数か月前から兆候はあった
- 特に2週間くらいから特に背部の倦怠感から特定の場所に痛み
- 腰部へも波及
- ぎっくり腰の既往2回、今回も気になり出した
- 大型機械設置業務から、大きなボルトなどを締めたり中腰での力仕事が多い
- 安静痛は無く寝ると楽になる
炎症は無く姿勢からの問題と推察し、仮説と検証を以下行う
仮説と検証
1)姿勢評価
前額面
胸郭下部ー右回旋
胸郭上部ー左回旋
左右肩甲骨は胸郭上部アライメントへ正常に位置している
矢状面
前方頭位
胸椎上部・下部ー屈曲
骨盤後傾
股関節 軽度外旋+屈曲
膝関節 軽度屈曲+下腿外旋
2)動作評価
屈曲 座位(+) 立位(-)座位では前屈深度が極度に減少、立位では前屈が可能である→上肢の問題
伸展 座位(+) 立位(+)座位立位共に動作変化なし、腰部で伸展ROM(可動域)を出している、胸椎は同調しない
回旋(+)左回旋出来ない
上記評価から
- 胸郭が上下別の回旋変位を行っていた→Th1-3:第1-3胸椎は左回旋し右大胸筋の高さが左側に対し高い
- 左前鋸筋・左大胸筋・左小胸筋が左胸部を引き付けて、胸郭の左回旋を呈す
- 下部胸郭は左外腹斜筋過緊張から、対側回旋作用で右回旋をしている
- 依って、左側胸側部組織の過緊張と圧迫を認めた理由になる
3)他評価
腹式呼吸低下→下部胸郭回旋は胸椎屈曲を促し、上部胸椎も屈曲を促す
抗重力伸展活動を阻害するのは特にth-9:第7-9胸椎辺りより上部胸椎であり、そこが伸展しない故肋骨もバケツハンドルモーションおよび、ポンプハンドルモーションをしない動作パターンを産んだと考える。
つまり腹式呼吸がとても楽であり、仕事中に「息を止めて力を出しボルトを締めたり、重量物持ち上げ」などバルサバス法になるため、息を止める事も多いのでは?と仮説。
そんな習慣も胸式呼吸も関係しているのかも知れない。
コンディショニング
1)胸椎伸展エクササイズ
2)左外腹斜筋ー筋連結ー前鋸筋リリース
3)左大胸筋 左小胸筋リリース
3)胸式呼吸
備考
抗重力伸展活動が同側性運動リズムから対側性運動リズムに切り替わる
胸椎伸展からの正常な脊柱S字カーブを生み、結果的に下行性運動連鎖としての波及を起こし胸部の痛みは消失した。
ホームエクササイズ指導も行い、効果の確認で7日後からの移行何もなければ1か月後の経過観察だけで良いと伝えた。