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変形性股関節症で専門医に置換術を勧められても怖い12  50代 女性

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気になるところ

 

2023年10月にTHAを行いその後5か月間のリハビリを経てのご来院

 

腰痛

  • 腰部痛があり股関節との関係性があるのか?不安
  • 右(股関節術側)足背の冷感がある、その発症条件規則性は無い
  • リハビリ中に腰部痛を訴え、PTに相談した際にインナーをトレーニングするように言われた

 

 

 

 

評価と仮説

 

1)姿勢評価

 

前額面

右下部胸郭左回旋→前鋸筋 外腹斜筋収縮

 

矢状面

頭部の後方回旋(顎を持ち上げ姿勢)

上部胸椎屈曲

腰椎過伸展

 

動作評価

屈曲(-)

伸展(+)腰部依存性の伸展を起こす

回旋(+)右回旋出来ない

 

3)その他評価

先ずはTHA術後の傾向で股関節屈曲作用の問題を考える必要がある

  • 腸腰筋の屈曲作用評価(-)

 

これらの評価から、良く見られるTHAの術後要因で腰痛は可能性が低い

可能性としては、腰椎のハイパーモビリティからの脊柱起立筋過作用と考えられる、理由として矢状面の姿勢がある。

  • 股関節が問題ある時期に猫背で歩いていた(代償性)
  • そのボディスキーマが未だに残存
  • 股関節の機能改善を起こし抗重力伸展活動が可能になる
  • 但し多裂筋+腸腰筋の同時収縮から伸展活動の運動パターンが長期の代償動作から抜けてしまう
  • 起立筋での伸展活動(長く太いハイパワーの筋)
  • 骨関節性に屈曲固着した胸椎を残し頸椎-腰椎は過伸展してしまう事から腰部痛があるのでは?
  • 実は寝ていると腰痛は感じない
  • 更には立ち上がり時だけ腰痛(APAからの腹横筋の抜けた腰椎伸展時の側方へスタビリティ低下の痛み)
  • 足背の冷感はあるが、左右比較でも表在温度は変化なし(冷感無し)

 

 

 

コンディショニング

  1. 右前鋸筋ー外腹斜筋コンディショニング
  2. 胸椎伸展エクササイズ
  3. 垂直知覚の向上エクササイズ

 

 

備考

 

未だに股関節痛の痛みや関連した感覚異常は脳内では続いているのかもしれない

忘れられない代償姿勢は患部が好転しても潜在意識下では間違った垂直知覚を含めストーリーを引きづる事が多い、そこをクライアント様に寄り添う事が必要で、痛みを分かってあげられる事がやはりうちの強みと感じた。