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出産後から発症、特に3年前から慢性頭痛に悩む 20代 女性 事務職

気になる症状

頭痛

出産後から発症、特に3年前から慢性的に痛む。

  • 痛みは頭全体と後頭部に集中し、吐き気はなし。
  • 座って事務作業をしているときに最も辛く感じる。
  • 腰痛はなし(ただし妊娠中は腰痛があった)。
  • 子供を抱っこする時間が長く、肩こりがひどい。
  • 肩こりが原因で頭痛が起きている可能性がある。
  • チョコレートが好きで、電子タバコを使用している。

評価と仮説

1)姿勢評価

  • 正面からの観察
    左胸部が右回旋し、全体的に右巻き込みの傾向がある。
  • 横からの観察
    頭部が前に出た姿勢(前方頭位)。
    全体的に猫背ではなく、前傾姿勢が見られる。
    股関節を支点に重心が前に移動し、それを補うために腰椎を過伸展させている。

2)動作評価(動きと頭痛の関係)

  • 痛みが強くなる動作
    • 前屈
    • 体幹の左回旋
  • 痛みが和らぐ動作
    • 後屈(ただし、腰椎が優位に動くため胸椎の伸展が難しい)

胸椎の伸展可動域が特に制限されており、第1~6胸椎(Th1-6)に問題が集中している。

3)動作と頭痛の細部評価

  • 頭痛が軽減する姿勢
    • 頭部を左回旋または後屈させる
    • 仰向けに寝る
  • 頭痛が悪化する姿勢
    • 頭部を屈曲させる
    • うつむいた姿勢やうつ伏せの姿勢

姿勢と動作から、頭頸部を屈曲させた際に後頭部の筋組織が過度に緊張していることが頭痛の原因と考えられる。


対応策

  • 施術内容
    • 胸椎(特に上部)の伸展を促すトレーニング。
    • 頭部周辺の筋膜(fascia)の緊張を緩和。
  • 結果
    • 頭痛はNRS10→5-4に軽減。
    • 自宅で行うホームエクササイズを指導し、1週間後に再来院予定。
  • 経過報告
    施術3日後、患者から「常にあった頭痛が現在は無くなった」との報告を受けた