それ、逆効果かも?整体師が聞いた、
頑張る人が見落としがちな「健康の落とし穴」3選
新しい運動を始めた翌日、心地よい達成感とともに訪れる筋肉痛。多くの人が経験したことがあるのではないでしょうか。
「もっと体を良くしたい」「早く回復させたい」。その一心で、スマホを片手にストレッチ動画を探したり、自己流で痛い部分をマッサージしてみたり…。その向上心は、本当に素晴らしいものです。
しかし、私たちが日々整体の現場でお話を伺っていると、その**「良かれと思って」続けている行動が、かえって体の不調を招いているケース**にしばしば出会います。
今回は、リハビリに人一倍熱心に取り組むある男性との会話から見えてきた、頑張る人ほど見落としがちな「健康の落とし穴」を3つご紹介します。
1. 筋肉痛には「ガシガシ」より「優しいタッチ」が効く理由
先日来られた男性は、前日に通い始めたリハビリ施設で、生まれて初めて「ラットプルダウン」など9種類ものマシン運動を約3時間こなしたとのこと。その結果、両肩から背中にかけて強い筋肉痛に襲われていました。
普通なら「痛いところを強く揉みほぐしてほしい」と思うかもしれません。しかし、私はあえて「ガシガシ」と強い刺激を与えることを避け、全身を優しくさするようなアプローチを選びました。
その理由は、施術中の私のこの言葉に集約されています。
「ガシガシしたら余計緊張して痛いけぇね」
いわゆる「遅発性筋肉痛(DOMS)」、つまり運動の翌日以降にやってくる筋肉痛は、筋繊維が微細に損傷し、炎症を起こしている状態です。
そこに強い刺激を加えると、体は防御反応としてさらに筋肉を緊張させてしまい、回復を遅らせる可能性があります。逆に、優しいタッチでリラックスを促すことで、体は安心して緊張を解き、回復モードに入りやすくなるのです。
案の定、施術を終えた男性からは「肩が軽い、さっきより回る」「極楽だった」「背中が伸びて姿勢が良くなった気がする」と、嬉しい感想が次々と飛び出しました。すっかり軽くなった肩を回しながら、彼は満足そうにこう言います。
「これなら明日もラットプルダウンいけるわ」
思わず「あはは、ほどほどにしんさいよ」と笑ってしまいましたが、このやり取りこそ、頑張る人への大切なメッセージ。 **痛い時ほど、優しく触れる。**それが回復への近道になることもあるのです。
2. 良かれと思った「スマホでの勉強」が、首の詰まりを招いていた
この男性は非常に勉強熱心で、ご自身の体のためにと、空き時間にはスマホで「五十肩の治し方」やストレッチの動画を熱心に視聴していました。まさに努力家の鑑です。
しかし、皮肉なことに、その行動が彼の訴える「首の詰まり感」や「眼精疲労」の一因になっている可能性がありました。問題は単なる姿勢だけではありません。彼自身の言葉が、そのヒントを与えてくれます。
男性:まあ、本も読むしな、最近はスマホで動画も見だしたけぇの。 女性:真面目じゃねぇほんまに(笑)。研究熱心じゃ。 女性:でも画面ちっさいけぇ目が疲れるんよそれ。
情報を得て、自分の体について学ぼうという意欲は素晴らしいものです。しかし、小さな画面を長時間見続けると、知らず知らずのうちに首や肩に負担がかかります。
彼も「見よったら眉間に皺が寄るけぇな」と話していましたが、その集中こそが、無意識の緊張を生んでいたのです。
ご自身の体と真剣に向き合う姿は素晴らしいのですが、その真剣さゆえに、別の角度からの負担には気づきにくいものです。良かれと思って始めた情報収集が、別の不調の種になっていたという、現代ならではの落とし穴です。
3. 最高の施設やマシンより、「本人のやる気」が最強のリハビリ
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男性が通うリハビリ施設は設備も整っており、私も「ええとこ選んじゃったね」と声をかけました。しかし、彼の答えはもっと本質的でした。
彼は、回復の鍵は施設や他人の力だけにあるのではない、と考えていたのです。その哲学は、彼のこの言葉によく表れています。
「ええ施設でも、それを上手に要すりゃあええけどな。そうでない、それいきゃあ治るんじゃないんだけ。自分の体鍛えて治るんだけな」
彼はその施設で「模範生」と呼ばれているそうです。ただ言われたことをこなすのではなく、「どうすればもっと良くなるか」を考え、主体的に取り組んでいるからです。
周りには「せえ言われるけぇするんじゃ」という態度で、ただメニューをこなしているだけの人もいる中で、その姿勢は際立っています。
どんなに素晴らしい環境やサポートがあっても、最終的に変化を起こすのはご本人の**「治りたい」「良くなりたい」という強い意志。**これこそが、回復を駆動させる最も強力なエンジンなのです。
施術を終え、熱い梅昆布茶を飲みながら交わす会話は、いつも多くの気づきを与えてくれます。彼の体だけでなく、その前向きな心にも触れることで、健康へのアプローチは一つではないのだと、改めて教えられました。
結論:健康づくりに必要な「知恵」
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今回ご紹介した3つのポイントは、健康づくりに励むすべての人に共通する教訓かもしれません。
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高ぶる筋肉には、鎮めるような優しい対話を
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学ぶ意欲が、思わぬ「姿勢の癖」を生むことも
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最高の環境も、自らの「治す力」には敵わない
健康への道は、ただがむしゃらに頑張ることだけが正解ではありません。時には立ち止まり、自分の体の声に耳を澄ませ、賢くアプローチを選択する知恵が必要です。
あなたの「良かれと思って」続けているその習慣、もしかしたら体は別のサインを送っていませんか? 一度、ご自身のケア方法を振り返ってみる良い機会かもしれません。
