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■ 要約(Overview) 今回は、1月から5月にかけて継続的に来院された46歳女性(薬剤師)のケースをご紹介します。 デスクワークや長時間の車の運転による「不良姿勢」が引き金となり、胸郭の可動性低下や肩甲骨の運動連鎖の崩れが生じ、右肩の痛み(インピンジメント・結帯動作痛)と腰痛を引き起こしていました。 「痛いから温める」という自己判断を見直し、痛みの根本原因である「姿勢の崩れ(骨盤後傾や巻き肩)」を患者様ご自身に理解していただきながら、適切なセルフケアと施術で改善に向かった5ヶ月間の記録です。
📅 1月〜5月の経過まとめ(時系列)
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1月(炎症の鎮静と構造の理解): 五十肩(拘縮期)と腰痛で来院。腰痛は胸椎の伸展不全を腰椎が代償することで発生していると評価。患者自身が「シートヒーター等で温めると悪化する」ことを体感し、アイシングと姿勢(背中を入れる)の重要性を学習できた。
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2月(動作時痛とPC作業への対応): 安静時痛はないものの、結帯動作やうつ伏せ寝での痛みが出現。職場環境の変化(PC作業増加)により、胸郭を固めてしまい肩甲骨の運動連鎖が低下(インピンジメント)していると評価。大胸筋・小胸筋のリリースと、背面筋力(前鋸筋・僧帽筋下部)の促通を指導。
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3月(運動連鎖の修正): 外転や結帯動作、物を拾う際の痛み。姿勢不良による「前面筋の短縮・背面筋の弱化」が肩甲骨の正しい動きを阻害していると評価。肩甲骨下角を徒手でサポートすると痛みが減ることから、T字エクササイズ等のホームケアを強化。
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4月(関節包の硬結と運転への対応): 肩の痛みは若干軽減傾向。駐車券を取る動作(伸展+回旋)で痛み。関節包下部の硬結により上腕骨頭の下方滑りが制限されていると評価。また、長時間の運転により右臀部〜腰に張りが出たため、併せてリリースを実施。
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5月(姿勢コントロールの再認識): 低い椅子に座ることで骨盤が後傾し、肩・腰へのメカニカルストレスが再燃(6日に腰痛エピソードあり、胸椎伸展で自己緩解)。座面環境の改善と、正しい姿勢(胸郭・肩甲骨のアライメント)を維持することの重要性を再指導。
■ 基本情報
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氏名: H.Fさま(46歳・女性)
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職業: 薬剤師(立位・PC作業メイン)
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属性: 車の運転あり
【SOAP+G 総合評価】
■ S (Subjective: 患者の訴え・エピソード)
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右肩の痛み: 結帯動作(背中に手を回す)、外転、うつ伏せ寝、駐車券を取る動作などで痛みが出る。安静時や夜間の疼きはなし。
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腰・背中の張り: 長時間の運転や、職場のPC作業環境の変化で増悪。低い椅子に座ると悪化する。
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気づき: 「車のシートヒーター等で温めると腰が痛くなる意味がわかった」「教わった胸椎を伸ばす運動をすると腰痛が楽になる」と、ご自身で症状をコントロールできる場面が増加。
■ O (Objective: 客観的所見・身体の状態)
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姿勢アライメント: 頭部前方変位(ストレートネック気味)、巻き肩(肩甲骨の前傾・翼状肩甲骨)、骨盤の後傾傾向が見られる。低い椅子での座位がこれらを助長している。
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可動域制限: 右肩関節の外転・挙上・内旋・伸展に制限。胸椎の伸展可動域が著しく低下しており、それを腰椎の過伸展などで代償している。
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筋肉・関節の状態: 右大胸筋・小胸筋などの前面筋が過緊張し短縮。反面、背中側(前鋸筋・僧帽筋下部)が弱化。肩関節包下部の硬結により、腕を上げる際の上腕骨頭のスムーズな滑り込みが阻害されている。
■ A (Assessment: 評価・原因の考察) 長時間の不良姿勢(PC作業や低い椅子での座位)により、体の前面が縮み、背面が弱くなる「筋のアンバランス」が発生していました。 その結果、胸郭や肩甲骨の正しい連動が破綻し、肩を動かした際に骨と組織がぶつかる「インピンジメント(衝突)」や関節包の硬結による痛みを引き起こしています。腰痛に関しても、本来動くべき「胸椎(背中)」が固まっているため、腰に過剰な負担(メカニカルストレス)がかかっている状態でした。
■ P (Plan: 施術内容と今後の計画)
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施術: 胸郭・肩甲骨周囲(大胸筋・小胸筋等)のリリースと、鎖骨のモビライゼーション。肩関節包の硬結改善。骨盤・脊柱のアライメント調整および臀部の緊張緩和。
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指導・セルフケア:
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温めNG・アイシングの徹底: 炎症感がある時はカイロやシートヒーターでの過度な加温を避ける。
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姿勢改善: 低い椅子(お尻が沈む椅子)やうつ伏せ寝の回避。運転時は骨盤を立てる意識を持つ。
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エクササイズ継続: 「背中を入れる(胸椎伸展)運動」、T字エクササイズによる背面筋の強化、壁を使った肩のストレッチ。
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■ G (Goal: 目標)
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短期目標: うつ伏せ寝、結帯動作、駐車券を取る動作など、日常生活での局所的な痛みの消失。
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中期目標: 正しい姿勢(胸郭・肩甲骨のアライメント)の定着と、業務中(PC作業等)の疲労感軽減。肩関節可動域の左右差消失。
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最終目標: 痛みなく仕事や趣味(野球観戦・将来の海外渡航など)を楽しみ、腰痛や肩痛を再発させない体の使い方をマスターすること。
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