【症例報告】背部・右臀部の痛みとツッパリ~足部機能低下からの運動連鎖と姿勢改善~

【症例報告】背部・右臀部の痛みとツッパリ~足部機能低下からの運動連鎖と姿勢改善~

 

  • ・氏名:S.O
  • ・年齢:74歳
  • ・職業:介護パート
  • ・既往症:右下腿骨折(オペ、2021.3ボルト摘出)、右膝骨切術(伸展ROM制限あり)、前足横アーチ中央胼胝、盲腸、左股関節皮膚移植で手術歴

【S】

・主訴:背部や臀部の痛み(姿勢痛)、右臀部から大腿外側後面の痛みとツッパリ

  • ・随伴症状:左背部のツッパリと痛み(以前よりは軽減)
  • ・発症機転:不明
  • ・増悪因子:足をついて起きた時、荷重時(踏ん張れない)、ボディスーツの着用
  • ・寛解因子:横になること、足を着かない時、ボディスーツを脱ぐこと、Th12付近の温熱
  • ・ADL支障:歩行、立ち上がり
  • ・IADL支障:不明
  • ・職業動作支障:介護業務における姿勢保持や動作(オムツ交換時など)
  • ・趣味動作支障:不明

【O】

  • ・姿勢アライメント:外反母趾、円背、右膝伸展制限
  • ・関節可動域(自動):不明
  • ・関節可動域(他動):不明
  • ・制限方向:右膝伸展
  • ・筋力(MMT相当):不明
  • ・圧痛:不明
  • ・筋緊張:左背部、右臀部から大腿外側後面、ふくらはぎ
  • ・トリガーポイント:不明
  • ・神経学的所見:不明
  • ・疼痛誘発テスト:不明
  • ・疼痛軽減テスト:不明
  • ・左右差:右臀部から大腿外側後面にかけての痛みが強い
  • ・画像所見(頭部):見た目上、Beforeで前方へ突出していた頭部が、Afterで後方へ移動し重心線に近づいている印象
  • ・画像所見(肩):見た目上、Beforeで前方に巻き込んでいた肩甲帯が、Afterで自然な位置に改善している印象
  • ・画像所見(体幹):見た目上、Beforeで胸椎後弯が強い印象が、Afterで伸展が促され垂直に近づいている印象、腹臥位画像において背部の非対称性が軽減している印象
  • ・画像所見(骨盤):見た目上、Beforeの骨盤アライメントの崩れが、Afterで整い下肢への荷重軸が改善している印象

【A】

  • ・主要問題点:足部機能低下(外反母趾)と右膝伸展制限による荷重負荷異常、上行性運動連鎖による姿勢痛、ボディスーツによるfascia絞扼
  • ・機能障害仮説:足部機能低下と右膝伸展制限(SHM阻害)によりフットフラット歩行となり、上行性運動連鎖で体幹・頭部のアライメントが崩れ、代償的な筋緊張が生じて疼痛を誘発している状態。さらにボディスーツが軟部組織の滑走性を低下させていた状態。
  • ・筋要因:fascia絞扼による軟部組織の活性化低下、背部・右臀部・大腿外側後面の過緊張
  • ・関節要因:右膝関節伸展制限、足部および足趾機能低下
  • ・神経要因:不明
  • ・姿勢要因:外反母趾や膝伸展制限に起因する異常姿勢(円背など)
  • ・運動連鎖:足部機能低下および膝伸展制限からの上行性運動連鎖による背部・臀部への負荷増大

・因果関係整理:右膝骨切り術後の伸展制限と足部機能低下が土台の不安定性を招き、代償として体幹や臀部に過剰な負荷がかかっている。また、ボディスーツの着用が可動性をさらに制限し症状を増悪させていた。

  • ・鑑別的視点:他疾患による関連痛、神経根症状

【P】

  • ・本日実施内容:足部機能賦活化(目視および両足趾の屈伸運動、片方ずつ歩行を意識しての屈伸運動)、座位ツイスト、電気療法
  • ・介入対象:足部、足趾、体幹、fascia

・目的:足部機能の改善、上行性運動連鎖の適正化、軟部組織の滑走性改善、姿勢アライメントの修正

  • ・セルフエクササイズ:不明
  • ・生活指導:ボディスーツ着用の禁止、Th12付近の温熱継続
  • ・次回評価方針:足部機能の改善度合いと姿勢アライメントの変化、疼痛範囲の推移評価

【G】

・患者希望活動:痛みなく介護パートを続けること

  • ・阻害因子:右膝伸展制限、外反母趾
  • ・短期目標:右臀部から大腿外側後面および背部の疼痛・ツッパリ感の軽減
  • ・中期目標:足部機能を向上させ、正しい姿勢での歩行と安定したADL・職業動作の獲得